柴犬ゴン太の成長ブログ

愛犬との毎日をブログで紹介します。おすすめのドッグフード紹介もあります。

犬の共感性

犬の共感性は個体の生存確率を上げる、適応的な行動の一つであると解釈できます。情動の同調には最低限でも、情動を伝えるシグナルが存在し、それが受容されて'同じような情動回路を刺激する必要があります。簡単な例は、サルが木の上で空高く飛ぶワシを見つけると、高揚した啓戒音を発して、不安行動や回避行動を取り始めます。この轡戒音を録音してサルに聞かせると、まつたく同じような行動が発現します。このことから、音声が「替戒」という情動の共感性を伝えるシグナルになっていることがわかります。マウスでさえも他者が痛みを感じていると、自分の痛みの閾値(がまんの度合い)がさがり、さらに痛がるようになることが報告されました。マックギル大学のモーギル博士らは、痛みを受けているマウスのそばにいて、それを見ているマウスの耳や鼻、目を一時的に使えないようにしておいて、共感の伝播様式が抑えられるかどうかを調べました。すると、非常に意外なことに、耳や鼻を使えなくしても受け手マウスにはとくに変化が見られませんでしたが、目を使えなくした場合のみ受け手マウスに変化が見られました。このことからマウスにおける痛みの伝播はなんと視覚を介していて、痛がっている相手を見ることで相手の痛みを知り、自分の痛みの閾値を変化させていることが示されました。

不平等が嫌い

共感性の表現の一つに、不平等を嫌うというものがあります。誰もが経験することですが、他者が自分と比較して不遇の立場にある場合には「ほぼ同等」でありたい、なんとかしてあげたいという公平感が生じます。そのことからも、この共感性の表現は理解できます。社会性の高い動物では一個体による資源の独占は群れ行動を崩壊させることにつながるため、群れの維持形成において、共感性と共に公平性は重要な社会的脳機能と言えるでしよう。人において、公平性は納税制度、社会保障、健康保険など、社会規範や秩序の維持に不可欠です。このような公平性は動物の中ではどのように進化してきたのかというのが最近注目される研究領域になってきました。公平感を持つためには、まず自身の報酬や労力だけでなく、他者の報酬や労力に敏感になること、その上で自身に不利な不公平感と自身に有利な不公平感を持つことが重要なステップとなります。